2月12日上里町コミセンにて埼玉自治体問題研究所研究員木村芳裕氏を迎え学習会が開かれた。
・産業廃棄物とは何か
・産業廃棄物の処理は排出事業者の責任
・産業廃棄物の処分等の基準
・産業廃棄物処理施設の基準
・産業廃棄物処理施設の技術上の基準
・ダイオキシンの規制
・ガス化炉は安全?
・プラスチック焼却でダイオキシンが高くなる
・高機能の焼却炉でもダイオキシンは出る
・重金属も増える
・埼玉県は建設にあたって住民同意が必要(残念ながら工業専用地域は除かれる)
*技術管理者からの意見
① 熱収支について大丈夫か?
・乾溜ガス化炉の加熱は何によるのか? 相当のエネルギーを必要とするが,燃焼炉の温度(カロリー)で可能か?
・バッチ炉で発電可能か?炉が小さいので不可能
・サーマルリサイクルで,温水利用,発電は2期工事となっているが,処理能力,バッチ炉からはそれほど期待できないのでは?(計画のイメージだけ?)
・27トン/日では,スケールメリットが出ないのでは?
・ガス化炉が24時間なら焼却炉もすべて24時間なのでは?
② 施設の問題
・ゴミピットは必要ないの?(ゴミ質の均一性,定量処理のために)
・低酸素で蒸し焼き状態となるが,一定しないゴミ質にどう対応するのか?
・ガス化炉の残渣についての説明がない。焼却対象物から相当の残渣が発生すると思われる.また重金属も多量に含まれることが想像される。これらの残渣はどうするのか?重金属が多ければ遮断型の埋め立て地が必要となるのでは?
・ガス冷却室,バグフィルターからの飛灰の処理はどうするのか?ガス化炉と同様重金属対策が必要ではないか?
・敷地面積が狭いのでは?煙突の高さは?(すぐそばに給食会社かおるのでは)
・白煙防止は?
③ 排水処理施設は必要ないのか?
・ガス冷却室や施設内の水処理施設が必要ではないか?(焼却炉で蒸気として飛ばす?)
・ガス冷却室で余った水には重金属や有害物が多量に含まれているため,水処理が必要である。
・同計画書は,自社の運送業や倉庫業などから出る社内廃棄物処理の問題を社外廃棄物まで営業活動を広げるために産業廃棄物の焼却炉メーカーから得た情報を基に計画書を作ったものと思われます。
同社は,運送業,倉庫業が本業であり,焼却施設に対する知識や技術面での力量に疑問を持たざるを得ません。焼却施設には,施設技術管理者,発電の電気技師,薬品,危険物の取扱者,公害防止管理者など多くの技術者が必要であり,経験も必要です。それがないと利潤追求に走り,環境対策がおろそかになるような気がします。ごみ処理に対する理念や,環境問題の理念がないと後々問題が生ずると思います。事業拡大が飛躍しすぎているのではないかと思います。