1.上里町産業廃棄物処理施設の置等紛争審査委員会(平成26年12月22日実施)


 Q&A  委員会意見:Q  スゴー運送対応方針:A

Q1.乾溜ガス化炉から灰,バグフィルターから飛灰が出るが,処理はどのようにされるのか?
A1.乾溜ガス化炉から出る燃え殼(焼却灰)は,乾溜ガス化炉底部の底扉(灰出扉)を開き,灰シュートを伝って底扉下の灰受皿へ収納される。飛散防止した状態で外部(管理型埋立処分場)へ搬出する。
・バグフィルターから出る飛灰は,バグフィルター下のロータリーバルブより排出し,ドラム缶またはフレコンバックに貯留。飛散防止した状態で外部(管理型埋立処分場)へ搬出する。
注:バグフィルターとは,ろ過するフィルターという意味です。つまり集塵機の中に空気をろ過するためのフィルターを有しているものをバグフィルターと呼ぶのです。
 フィルターには粉塵や煤塵などの汚染物質が付着していきます。これが付着すると吸引力が失われます。そのためバグフィルターはフィルターから汚染物質を払い落す機能を備えています。バグフィルターの耐熱温度は最高でも250℃と低く,急冷塔で十分冷やされないと焼損して穴が開いてしまう恐れがあります。気付かないでいると汚染された排気ガスがろ過されずに素通りしてしまいます。これによって有害ガスがまき散らされるという恐れがあります。とくに焼却施設においてバグフィルターを用いる場合,ダイオキシンや放射性物質などの問題は深刻です。

BUG-Filter

Q2.ガラスくず・コンクリートくず,陶磁器くず,がれき等のエネルギー量ゼロのものも投入しなければならない理由は何か?
A2.投入するもの(エネルギー量ゼロ)に付着している可燃物を取り除き,燃え殼として処理するため。

Q3.熱バランスシート(熱収支フロー)を作成してください。
A3.熱収支フローを作成済み。

Q4.排ガスが最終的に(一番燃やすとき)どれくらいになるのか。想定できるのであれば今のうちに出しておいて頂きたい。
A4.最大排出ガス量:19,613Nm3/H
※計画書 5.熱収支計算書(最終頁総排出ガス)に記載済み

Q5.地域の農業者の方々の土地の安全性の担保。排ガスなり粉塵なりの担保というのは是非ともお願いしたい。
A5.装置でできる保証は,煙突から出る排ガス成分を法の規制値以下に抑え,大気に放出するということである。
・ダイオキシン類:5ng-TEQ/Nm3以下  ・塩化水素:200mg/Nm3以下
・窒素酸化物:180ppm以下       ・硫黄酸化物:K値(17.5)以下
(類似施設のダイオキシン測定値:0.0621(6社平均))
関連する排出ガス成分数値については測定分析業者に確認中。

Q6.廃油は地下浸透すると非常に危ないので,施設的にどういうようなカバーリングをしているのか。
A6.廃油貯留タンクには防油堤を設け,廃油の流出を防止する。防油堤は万が―廃油が流出しても全量受け入れられる容量とする。防油堤はコンクリート製,内面をモルタル仕上げし,地下土壌への廃油の浸透を防ぐ。廃油は燃焼炉に設けたノズルから炉内へ滴下し処理される。タンクから装置までは配管が施されており,液漏れはない。

Q7.24時間稼動するとなっているが,昼間はもちろん夜間も音の問題や臭気の問題がどう出てくるのか。
A7.【騒音】:設置許可申請時に,本施設の騒音源である送風機,コンプレッサーの騒音データを基に敷地境界線上でどの程度の騒音が発生するかを業者にて予測する。仮に予測値が規制値を超えるような場合には,防音壁で囲う等の対処をし,ご迷惑にならないような騒音レベルにまで落とすよう対処する。
※騒音,振動についての予測調査完了後,結果を上里町へ提出する。
【臭気1】:装置からの臭気はほぼない(燃焼温度800℃以上で2秒以上滞留することから,臭気物質は高温酸化脱臭される為,規制基準値を超える臭気が排出されることはないと考える)。
【臭気2】:保管中の廃棄物からの臭いについて,廃棄物は屋内で保管。臭気を発生する廃棄物は極力保管期限を短くし,焼却処理を実施するよう努める。

Q8.ダイオキシン対策について
A8.燃焼炉で800℃以上,2秒滞留でダイオキシンを分解する。
 現在の設計計算上では910℃だが,1,000℃±20℃で燃焼するよう自動コントロールをかけるため,ダイオキシンは分解される。また,ダイオキシンは300℃付近で再合成されると言われているため,燃焼炉にてダイオキシンを分解した排ガスは,急冷塔にて200℃以下に急速冷却し,ダイオキシンの再合成を防ぐ。

Q9.医療廃棄物の取り扱いの仕方について
A9.医療機関から出る医療系廃棄物は,医師がメディカルボックスと呼ばれる専用の容器に投入し蓋を閉める(蓋を閉めた後は開封不可)。
 →特別管理産業廃棄物収集運搬資格を待った業者にて運搬し計画地内へ受入れ。
 →屋内保管庫内の保冷庫にて保管(保管期限:最長14日間)
 →14日以内に焼却処理。医療系廃棄物はメディカルボックスに入れられたまま,蓋を開けることなく乾溜ガス化炉内へ投入し焼却処理される。
(別紙『医療系廃棄物の搬入・焼却について』を作成済み。)
 医療系廃棄物はガス化燃焼が進むにつれ,1,000℃~1,100℃の高温となっている赤熱層と呼ばれる部分に接することで滅菌される。気体に浮遊する菌については,乾溜ガスとともに900℃以上の燃焼炉を通過することで滅菌される。
(別紙『医療系廃棄物滅菌のしくみ』を作成済み。)

Q10.投入口はダブル(二重)になっていて,炉に入る前に遮断していないといけないはずだが。
A10.廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第十二条,第四条第一項七号環境大臣の定める焼却施設(ガス化燃焼方式)により,該当しない。

Q11.「バッチ式」を明記しておいてください。
A11.計画書(表)「産業廃棄物処理施設の処理方式」に記載済み。

Q12.メンテナンスについて
A12.年1回以上のメーカー点検を受ける(計画書 6.維持管理に記載)。オーバーホールを実施し,発見された問題点には速やかに対処する。
 日常点検,月次点検,3か月点検,6か月点検等を自社で実施し,故障を予防して直す体制をとる。
 点検項目については,施設稼動までに作成する。

Q13.アルミ等が混入すると非常に危険。その辺りの安全面をきちんと担保した資料にしてほしい。
A13.排出先(取引先)での分別を徹底するよう指導する。また,受け入れた廃棄物の分別を徹底し,投入前に危険物質をできる限り取り除く。

Q14.維持管理について(ガス爆発の危険性と対処)
A14.爆発になり得る主な原因は,乾溜ガス化炉内への危険物質(ボンべ,溶剤,アルミニウム等)の混入。受け入れた廃棄物の分別を徹底し,投入前に危険物質をできる限り取り除く。
 炉内で仮に爆発が起きた場合,乾溜ガス化炉の上部にある投入扉が安全弁として働く。乾溜炉内圧が瞬間的に上がった際は安全弁(投入扉)が10~20cmほど上がり,中の圧力を逃がして再び蓋が閉まり,装置自体は全て停止するようにインターロックを組む。
 装置稼動前に維持管理や運転に関するメーカーにて行う研修を受ける。装置引渡し時には再度運転指導を行い,安全な装置稼動・維持管理を行う。

Q15.搬入の仕方と焼却方法について
A15.【搬入】廃棄物は自社及び他社で収集し,本計画地へ搬入。受け入れた廃棄物の分別を徹底し,投入前に危険物質をできる限り取り除く。リサイクルが可能なものはリサイクルヘ)
【保管】廃棄物は屋内保管庫にて保管(感染性産業廃棄物は保冷庫で保管)。保管期限は最長14日間。
【処理】固形物は乾溜ガス化炉へ投入,液状物は燃焼炉にて処理。
【搬出】・乾溜ガス化炉から出る燃え殼(焼却灰)は,乾溜ガス化炉底部の底扉(灰出扉)を開き,灰シュートを伝って底扉下の灰受皿へ収納される。飛散防止した状態で外部(管理型埋立処分場)へ搬出する。
    ・バグフィルターから出る飛灰は,バグフィルター下のロータリーバルブより排出し,ドラム缶またはフレコンバックに貯留。飛散防止した状態で外部(管理型埋立処分場)へ搬出する。
(別紙『搬入・処理・搬出方法』を作成済み。)

Q16.夜間の運転管理体制
A16.夜間に異常など発生した際は,遠隔監視通信システムにて管理者に異常を通報。通報を受けた社員が施設管理体制組織図に基づき各担当へ連絡。施設管理体制組織図については,施設稼動までに作成する。
  地震や停電時は安全に装置を停止させることを優先する。
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